廃棄物資源循環学会研究発表会講演集
第31回廃棄物資源循環学会研究発表会
セッションID: A5-11-W
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A5 住民意識・環境教育
事業系食品ロスに関する事業者意識調査について
*小泉 裕靖
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抄録

事業系食品ロスは、多種多様な事業形態が存在し、商習慣など複雑な社会システムに起因していることから、その発生メカニズムの解明が難しい。そこで本調査では、食のサプライチェーンを構成する食品製造業、卸売業、小売業、外食産業などの事業者に対し、食品ロス発生の背景や要因について聞き取り調査を行った。その結果、事業者は、消費者が常に新鮮で、品揃えが豊富で、破損がなく、常に新規性のある商品を求めていると考えており、これに対する忖度意識が食品ロスの原因となっていることが分かった。特に小売業や外食業のように、直接、消費者と接する業種では、これらの意識は、販売機会の喪失を回避するための「欠品は絶対に許されない」という強固な共通認識となっていることが示唆された。また、食品の再流通が進まない原因としては、輸送・運搬、需給のミスマッチ、食の安全の担保が問題となっていることが分かった。

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© 2020 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
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