主催: 一般社団法人廃棄物資源循環学会
会議名: 第32回廃棄物資源循環学会研究発表会
回次: 32
開催地: 岡山コンベンションセンター
開催日: 2021/10/25 - 2021/10/27
筆者らは田中らが定義した最終処分場の安定化の最終段階である「環境中に晒しても環境への悪影響がない段階」を多様な生物が生息できる生態学的安定化状態と位置付け、焼却残渣中の細菌の生息阻害要因と対策について検討し、焼却残渣中の有機物量(IL)が15%となるように堆肥を覆土土壌中に添加することを提案した。本研究では浸出水の汚濁負荷が小さく、細菌の生残及び生育に最適な堆肥添加量を求めることを目的として堆肥の添加量と細菌の生残性の関係について実験的に検討した。その結果、高pHの焼却残渣中で土壌細菌が生育し続けるにはIL15%が必要であるが、堆肥中細菌にとって堆肥の添加は必要ではないことから、生物多様性へのパイオニア的細菌の供給源として堆肥が有効であることが明らかとなった。また、細菌の生育によって発生するCO₂がpH低下させ、生育環境改善することも明らかとなった。