主催: 一般社団法人廃棄物資源循環学会
会議名: 第35回廃棄物資源循環学会研究発表会
回次: 35
開催地: つくば国際会議場
開催日: 2024/09/09 - 2024/09/11
2017年8月に水銀に関する水俣条約が発効し、国内では同年10月に廃棄物処理法施行令等が施行された。これにより廃水銀および廃水銀化合物(廃水銀等)は、「精製・硫化・固型化」の中間処理が義務づけられ、廃水銀等処理物の最終処分場内での長期安定性評価は不可欠である。本研究では、アルカリ条件下における硫化水銀(HgS)および廃水銀等処理物の水銀溶出のpH依存性を明らかにするために環告13号溶出試験を実施した。硫化処理の度合いによってHgSの水銀溶出特性が異なることが示唆された。廃水銀等処理物についてはpH 13付近までは改質硫黄による固型化処理による水銀の封じ込め効果が認められるものの、埋立判定基準を満たせるのはpH 11付近までであることが明らかとなった。改質硫黄固型化処理により亀裂などの劣化(粉砕)がなければ廃水銀等処理物からの水銀溶出量を抑制できる。