抄録
店舗が存在するグリッドのみを対象として、各グリッドの店舗数の分散・平均を計算し、その比を集積の程度を示す指標とすると、バイアスが避けられない。しかし、立地の候補となったグリッドの数を正確に把握できないとき、すなわち標本空間の要素の数が分からないときに、単に総グリッド数を用いて分散平均比を計算すると、やはりバイアスが生じる。この場合、店舗が存在するグリッドに限って計算した店舗数の分散・平均を使って、バイアスを補正した指標を作成することができる。しかし、この補正した指標を用いても、グリッドあたりの平均立地店舗数が少ない業種においては、ランダムな立地の結果と規則的な立地の結果とを識別することが困難となる。