2018 年 21 巻 3 号 p. 1-13
「おもてなし」という概念は諸外国からも日本特有のものとして注目されている。しかし,マーケティングや消費者行動研究の観点から,「おもてなし」という概念を学術的に検討した研究の蓄積は少ない。そこで,本稿では,「おもてなし」を,消費者行動の観点から分析する。特に,ゲストである自分自身を喜ばせ,満足してもらおうという意図を持つホストに招かれるサービス消費行動を「おもてなし消費」と呼び,ゲスト側の消費者によるおもてなし消費への満足構造を分析した。分析から,飲食店側のマーケターは自社のサービス品質だけではなく,顧客間の相互作用についても適切に介入を行うことで顧客満足度向上に寄与できることを示唆した。