抄録
本稿は、グローバルな視点から、企業の価値創造の本質を問い直してみるものである。モジュール化が進む代表的な産業であるパソコンや携帯電話の市場では、日本企業はグローバル市場での競争力が弱いと思われる。一方、このような市場では製造専門企業 (EMS) が完全な水平分業を担い、高い成長率を示している。本稿ではEMS企業の製造価値は、製造、流通、修理といった機能の川下統合を目指すアメリカ型と、製品設計を取り込むことにより川上統合を目指す台湾型という二つの形態によって高められていることを考察した。このようなEMS企業の成長は、多くの企業と情報を共有しながらグローバル・サプライチェーン化を進めることにより促進されるというメカニズムが存在している。