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サービス・リカバリー経験の意義―職業人としての成長・消費者としての意識変化―
武谷 慧悟
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2017 年 1 巻 2 号 p. 49-55

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抄録

サービス・リカバリー(i.e.苦情対応)経験は,従業員にとってどのような意義を持つのだろうか。この問いに取り組むことは,従業員のサービス品質や消費者の苦情行動など,サービス・マーケティング研究の諸領域に示唆をもたらすと考えられる。そこで本稿では,有職者を対象とするデータを用いて,従業員がサービス・リカバリー経験をどのように認識しているのか,その経験をきっかけとしてどのような変化が生じているのかを探索した。分析の結果,サービス・リカバリー経験に対する認識に関しては「離職意図」「顧客態度への批判」「良好な関係構築」という3因子が抽出された。これらのうち,サービス・リカバリーに際して顧客との「良好な関係構築」を意識することが,サービス・リカバリー・パフォーマンスの向上という「職業人としての成長」や,「消費者としての意識変化」に寄与していることなどが明らかになった。

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© 2017 日本商業学会
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