Dynamics & Design Conference
Online ISSN : 2424-2993
セッションID: 624
会議情報
624 スマート構造を用いた能動遮音と音響加振の抑制
乙守 正樹大久保 博志下村 卓得竹 浩
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
本論文では,システムの小型化,軽量化のためにパネルに圧電素子を組み込んだスマートボードを用いて音響加振を低減させる制御系の設計問題について扱う.はりや平板などに圧電素子等のアクテュエーターを貼り付けた構造をスマート構造と呼び,現在,能動遮音制御の分野においても応用が試みられている.従来の遮音手法ではスマートボードの振動を抑えるように制御を行うことで隔壁内部の音圧を一様に低減させ効果を上げている.本研究ではさらに,内部の特定の対象物へ伝達する音響加振の低減させることを目的とする.評価対象の振動特性を考慮した制御系を設計するために,対象物の各振動モードの腹を評価点とし,それらの点での音圧を圧電素子の発生電圧を用いて推定した.また,それらの音圧に各振動モードの固有振動数に重みを持った重み関数を適用しH2ノルムを音圧評価に用いた.設計結果がロバスト性を有するようにロバスト性能をH∞で評価し,混合H2/H∞最適制御を用いて制御系を設計した.このときの一般化プラントをFig. A1に示す.数値シミュレーションでは評価対象に伝達する音響加振を比較するために,従来の設計手法(音圧等を考慮せずに単にスマートボードの制振を目的として制御する設計手法)と提案手法によって設計した制御系を用いて,スマートボードにインパルス応答を与えたとき評価対象に伝達する運動エネルギーを求めた.モード別のエネルギー伝達率を制御なしの場合を100(%)としてTable A1に示す.また対象モデルをFig.2に示す.結果より,音圧の推定と評価対象のモード特性を考慮して複数の重み関数を用いる手法の有効性が示せた.
著者関連情報
© 2006 一般社団法人 日本機械学会
前の記事 次の記事
feedback
Top