日本重症心身障害学会誌
Online ISSN : 2433-7307
Print ISSN : 1343-1439
一般演題
O-2-B-01 リハビリテーション専門病院における重症心身障害児医療
岩崎 信明中山 純子新 健治中山 智博伊藤 達夫絹笠 英世
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 38 巻 2 号 p. 288

詳細
抄録
当院はリハビリテーション専門病院として設置されており、施設入所ではなく、病院における診療の形態をとっている。成人の一般病棟、成人の回復期病棟とともに小児の専用病棟を有し、リハビリテーション医療を必要とする患者という条件での入院診療が行われている。 2012年度の小児病棟の年間入院患者数は約161名で、1日の平均入院患者数は21.6名、平均在院日数は49日であった。小児病棟の入院の形態については大部屋以外に7床の個室を有し母児同室での入院が行われている。年間入院患者の65%が大島分類で1-4の重症心身障害児であった。 入院は維持期での入院とともに、脳炎や脳症、交通事故などによる後天性脳損傷での回復期リハビリテーションを目的とした入院もなされている。 リハビリテーションは平日に理学療法、作業療法を中心に必要に応じた言語療法、臨床心理の介入が行われている。休日のリハビリテーション(いわゆる365日リハ)はおこなっていない。小児病棟における1日のリハビリテーションの実施量は平均4.3単位(1単位20分)であった。 重度心身障害児では運動機能、呼吸状態、筋骨格の変形、けいれん、日常的な看護ケアの状態、装具、車椅子、立位台などのリハビリテーション機器の調整や導入がなされていた。画像検査や生理機能検査なども必要に応じて行われていた。摂食嚥下機能に関する問題での入院も多く、嚥下造影、食形態の調整、摂食嚥下リハビリテーションがなされた。医師、看護師、リハビリテーションスタッフ、臨床心理、医療ケースワーカ、栄養課を交えたカンファレンスによって情報を共有していくことが有用であった。 リハビリテーション病院において急性期病院と連携しつつ、比較的短期間の入院での重症心身障害児へ対する医療的介入は在宅医療を支える上で有用であると考えられた。
著者関連情報
© 2013 日本重症心身障害学会
前の記事 次の記事
feedback
Top