日本重症心身障害学会誌
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一般演題
P-1-F4-13 摂食機能療法推進のための摂食チームの活動の現況
横井 広道小西 裕美
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2013 年 38 巻 2 号 p. 358

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抄録
国立病院機構ネットワーク研究の「重症心身障害者における摂食機能療法の普及推進のための研究」に2010年度から参加している。当院では、医師、看護師、言語聴覚士、理学療法士、栄養士で摂食チームを編成して活動しており、当院における2012年度の摂食機能療法の現況について報告する。 方法 香川小児病院の重症心身障害児(者)病棟は5個病棟、205床であり、摂食チームは毎週火曜日の昼食時に1時間、1個病棟において、2〜3人の摂食機能訓練の指導を行った。どの患者に訓練を行うか、どの病棟を回診するか全体的な枠組みは医師が決定した。看護師は一人の看護師長が病棟間の調整連絡を担当した。各病棟に摂食機能訓練担当の看護師を1〜2名指定し、週一回のラウンド時には他の病棟の訓練にも立ち会える勤務環境を看護部で調整した。理学療法士は摂食時のポジショニングの指導を行った。言語聴覚士は間接訓練と直接訓練の指導を行った。栄養士は食形態の検討に参加した。 結果 2012年4月より2013年3月までの1年間の病棟ラウンドの回数は34回、指導した患者数は延べ83名であった。同一患者に繰り返して指導を行うようにしたため訓練実施患者数は25名であった。25名中14名は食事姿勢が臥位であった。指導内容は、ポジショニング指導を患者の76%で、一口量の指導を64%で、間接訓練指導を36%で行った。 考察 重症心身障害児(者)の摂食機能療法を継続するためには、各職種の役割を明確することと、職種間の調整役が必要である。この点で摂食チームとして活動することは有用である。2013年5月に香川小児病院は新病院に移行し、重症心身障害児(者)病棟も再編成された。継続性のある摂食機能療法推進のため、新病院における組織作りを現在進めている。
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© 2013 日本重症心身障害学会
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