抄録
本研究は、在宅重症心身障害児(者)の「医療処置(気管切開・胃瘻・人工呼吸器を実施・導入すること)」を決断した母親が、その決断をどのように評価しているかを明らかにすることを目的とした。研究方法は、障害児(者)施設に通院・通所、および訪問看護ステーションを利用している重症心身障害児(者)のうち、医療処置を実施して1年以降の母親12名に面接法を用い、質的帰納的に分析を行った。その結果、母親は医療処置の決断の評価を「良かった」と意味づける一方で、医療処置後の子ども自身の反応や、状態の変化などに直面すると、決断の評価が揺らぐことが明らかになった。また、母親の中には、決断を肯定的に意味づけた者もみられ、それは子どもの頑張りを実感できたことがきっかけとなっていた。以上の結果から、母親が医療処置の決断を評価するときは、普段から子どもの経過をよく知っている医療者が支援にあたる必要性が示唆された。