日本重症心身障害学会誌
Online ISSN : 2433-7307
Print ISSN : 1343-1439
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O-1-B10 高柵ベッド使用の現状と課題
川原 良恵帯刀 佐智代小林 典子岡村 俊彦後藤 一也
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2014 年 39 巻 2 号 p. 230

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抄録
目的 座位以上の運動能力と行動障害を示す重症心身障害児(者)(以下、重症児(者))に対して、転落防止目的に2段の柵付きベッド(以下、高柵ベッド)が使用されてきた。しかし、その使用については身体拘束の一つとして倫理的問題も指摘されている。今回、当院における高柵ベッド使用状況や患者家族や職員の意識を通して課題などを検討したので報告する。 方法 当院療養介護病棟で高柵ベッドを使用している重症児(者)8人について、行動面・医療面の状態像とその使用理由を調査した。医師、看護師、児童指導員、保育士など病棟で看護、療育に関わる職員に対して高柵ベッド使用に対する意識調査(問題意識、改善策など)を行うとともに、患者家族や後見人に対しても意識調査を行った。 成績 高柵ベッド使用者は8人(男性5人)で、年齢22〜53歳、大島分類2〜3: 3人、5:3人、10:1人、17:1人。立位や歩行が可能、ベッド柵をおろすことによる転落防止のために使用されている。職員調査では約9割が身体拘束と認識し、約9割は安全のために使用せざるを得ないと回答している。改善策として、夜間のみの使用、ベッド外での療育活動を増やすことや、外観や構造面での配慮・工夫が提案された。家族への調査では、安全面での使用は理解できるが、倫理的な事柄や使用に至る経緯の説明不足などの指摘があった。 結論 高柵ベッドは転落防止など医療安全面での必要性は患者家族、職員ともに理解されているが、使用にあたっては倫理的配慮が十分とはいえない。高柵ベッドの仕様を含めた代替策の検討や、使用時間の制限、家族の理解、同意など運用面について協議し改善に努める必要がある。
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© 2014 日本重症心身障害学会
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