抄録
はじめに
これまで、重症児者の診療は、当センターや大学病院が中心になって対応してきていた。地域で生活する重症児者が急増した一方で、医療を担う医療リソースが不足しており、今後地域における機能分担を進める必要がある。今回、地域におけるかかりつけ医の利用促進にむけた取り組みを実施したので報告する。
方法
1.西部医師会小児科標榜医(70カ所)へ、当センター通院中の障害児者の一次診療(かぜなどの受診)協力依頼についてのアンケートを実施した。
2.協力可能と回答があった施設(開業)に当センター職員が訪問し、聞き取りおよびお願いをした。
3.外来患者にかかりつけ医のご紹介をし、受診を希望された方に地域クリニックへの紹介状を作成し、受診をお願いした。
結果
1.アンケート
・協力可能:18 ・協力不可能:19 ・どちらともいえない:1 ・回答なし:32 2.訪問状況
協力可能のうち、開業医から回答のあった14カ所を当センターから訪問して直接お願いをした。14カ所の医院の状況は、ほぼバリアーフリーで、一部、段差がありバギーのままでは受診困難な所があった。
3.紹介状況
希望された16名の紹介状を当センターから開業医に送付し、そのうち4名が実際に受診された。
考察および結論
紹介状を送付した16名のうち、実際に、総合病院や医院を受診されたという返事があったケースは4名と多くなく、慣れない医療機関の受診については家族が慎重であった。
受け入れ医療機関側の意見としては、受診前に家族と話す機会をもちたい、患者および家族との信頼関係が大切、予防接種など通常の体調のときから始めたい、治療の具体的な情報が欲しい、などがあった。
患者側の不安への対応、受け入れ医療機関と患者との丁寧なマッチング、障害児医療の情報提供などが必要であり、地域の身近な開業医でかかりつけ医をつくっていただけるよう今後も継続して取り組んでいく必要がある。