日本重症心身障害学会誌
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O-1-B23 地域医療連携や職種間連携の重要性を再認した当苑初の整形外科手術症例の報告
増田 加奈
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2014 年 39 巻 2 号 p. 237

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抄録
はじめに 地域医療連携登録医制度を利用して他院で整形外科手術を施行し、当苑で初めての整形外科手術後の症例に対して、病棟職員との連携を密に取り術後ケアを実施した結果、ADL・QOLの改善を認めたので報告する。 症例紹介 40歳代男性。痙直型四肢麻痺。大島分類1。2年以上もの間、股関節脱臼による疼痛が続き、更衣やおむつ交換など身体を動かすたびに啼泣していた。疼痛を引き金に、筋緊張亢進や睡眠障害、けいれん発作を頻発。唾液誤嚥が増え経口摂取も困難な状態が続いた。触れられることへの恐怖心が強く、何をしても啼泣するため、職員の関わりが減少していた。 経過 当時、当苑では整形外科医が不在であったが2013年より非常勤医師が勤務することとなった。本症例は手術適応と判断されたが、当苑では手術や術後管理ができる医療体制が不十分だったため、地域医療連携登録医制度を利用し、他院にて両側大腿骨近位切除術を施行。疼痛の除去および下肢ROMの改善を図った。術後2週間にて帰苑。初めての整形外科手術後症例だったため、術後の姿勢管理や介助方法の検討および伝達など病棟職員との連携を密に実施した。 結果 術後9カ月で骨盤帯付き長下肢装具も外れ、疼痛除去・下肢ROMの改善により車椅子座位や自由な姿勢変換、少量の経口摂取が可能となるなど、ADL・QOLは大きく改善された。 まとめ 長年痛みに苦しみ続けた症例は、他院の協力を得て手術を施行した結果、痛みのない平穏な生活を取り戻し、ご家族にも大変喜んで頂けた。重症心身障害児者の症状は多岐にわたり、包括的治療が求められる。しかし、十分な医療体制を持たない当苑がそのニーズに応えるためには、地域の病院や関連機関との連携を日頃から模索しておくことの重要性を認識した。また、当苑で初めての整形外科手術後ケアに職員の不安は大きかったが、本症例に関わる職員が常に協議しながらケアを行い、良好な経過をたどることが出来たことは職員の自信にもつながった。
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© 2014 日本重症心身障害学会
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