日本重症心身障害学会誌
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O-2-B35 呼吸機能低下を呈した先天性中枢性肺胞低換気症候群に対する理学療法の経験
中尾 龍哉石原 美智子
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2014 年 39 巻 2 号 p. 262

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抄録
はじめに 先天性中枢性肺胞低換気症候群(以下、CCHS)は、呼吸中枢の先天的な異常により主に睡眠時に低換気となり人工呼吸器を要する。予後は適切な呼吸器管理により良好といわれている。今回、栄養状態の悪化をきっかけに呼吸機能が低下した成人のCCHS症例に対する理学療法を経験したので報告する。 症例 29歳、男性。3カ月時にCCHSと診断。1歳4カ月時に気管切開を実施。幼少期は夜間のみ人工呼吸器を装着。15歳頃から原因不明の下痢により栄養状態が悪化し、完全静脈栄養を開始したが、下痢やカテーテル感染を繰り返すごとに、人工呼吸器の装着時間が延長し、日常の活動量も低下した。今回、肺炎のため入院となり、呼吸機能改善を目的に理学療法を実施した。 理学療法 訓練開始時の呼吸機能は、人工呼吸器離脱下で意識的に呼吸を促すも20分ほどで経皮的酸素飽和度(以下、SpO2)が90%を下回り、深呼吸を促すも脊柱は後弯を呈し呼吸運動が低下していたため、SpO2が90%以上に回復するのに3分以上かかった。日常はほとんどベッド上で過ごしていた。 理学療法は換気量の増大を目的に深呼吸の指導や脊柱伸展の自動・他動運動、運動耐容能増大を目的に歩行・階段昇降を1回40分、週3日の頻度で約1カ月間実施した。 1カ月後には、30分間の歩行でもSpO2が90%以上を保てるようになり、90%を下回った際も、脊柱を伸展しての深呼吸が可能となり、1分以内で90%以上に回復が可能となった。日常は病室以外の場所で過ごすことが増加した。 考察 本症例における呼吸機能低下の要因の一つは、栄養状態の悪化をきっかけに、人工呼吸器の装着時間が延長し、日常の活動量が低下したことによる廃用性の呼吸機能低下であると考える。 CCHSは呼吸中枢の障害により呼吸苦を感じにくいため、SpO2を確認しながら運動負荷を高め、SpO2が低下した際は深呼吸を促し、SpO2の回復時間を数値で示した指導方法が有効であったと考える。
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© 2014 日本重症心身障害学会
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