抄録
はじめに
当院は、299床の一般病院で障害児(者)に対する外来リハも実施している。外来リハを担当する理学療法士(PT)の役割の一つは、障害児(者)に対して側彎症や脱臼等の二次障害を予防しながら、座位や立位等抗重力姿勢を保持し発達を支援することで一手段として補装具や座位保持椅子等を活用している。今回、補装具や座位保持椅子を活用しながら座位、立位を導入した症例のうち、側彎症ならびに股関節脱臼を呈した症例の経験からPTの役割を再考した。
対象・経過
症例A:19歳男児。30週1400gで出生。新生児期脳出血による脳性麻痺。合併症:重度知的障害、てんかん、股関節両側脱臼、左凸側彎症。理学療法は6歳より開始。日常的に座位保持椅子を使用。立位保持は主に学校で骨盤帯付長下肢装具を使用して実施。側彎症は14歳時Cobb角102度、16歳時122度。股関節は、亜脱臼率を示すMP(100%が脱臼状態)で10歳時MP両側57%。13歳時両側100%。症例B:7歳女児。40週1日3150gで出生。多嚢胞性脳軟化症による脳性麻痺。合併症:思春期早発症、繰り返す呼吸器感染、腰椎部で右凸側彎症、右股関節亜脱臼、睡眠リズム障害、皮質盲。理学療法は3カ月時より開始。3歳時に妹ができ一時中断。4歳時は本児が入退院を繰り返し理学療法中断。中断中は座位保持椅子に座り靴型装具を履くよう指導した。側彎症は、2歳時Cobb角21度、6歳時59度。股関節は2歳時MP36%、4歳時68%。
考察
重症心身障害児の二次障害発症は成人移行期(10歳から20歳頃)に多いとされている。PTの役割として、装具や座位保持装置の導入や角度調整だけでなく姿勢調整力を評価する視点をもつこと、成人以降期に捉われず思春期早発症等の合併症や外来リハ中断がもたらす身体機能への影響も考慮し日常生活管理の指導を行うことも重要性な役割であると示唆された。