抄録
はじめに
食後に歯ブラシを用いた方法での口腔ケアは、実施者の職種や経験により磨き方に個人差があった。また開口困難、体動などの理由により、適切な口腔ケアができず、歯垢、歯石の付着、それに伴う口腔疾患の悪化を助長していた。今回口腔ケアマニュアルを作成し、口腔ケアを実施することで歯垢除去に効果があったので報告する。
研究方法
1.期間:2013年9月〜12月 2.対象:歯列のある経口摂取患者30名 3.方法 1)口腔ケアの問題点を分析し、マニュアルを作成し実施 2)歯垢染色液(新しい歯垢は赤く、古い歯垢は青く染色される)を使用し歯垢の付着を実施前後で評価。
結果
マニュアルにはブラッシングの順番・方法・回数、体位を具体的に提示した。開口困難に対しては、指サック型開口保持器を使用し実施した。歯垢染色液を使用し、実施前後の歯垢の付着を評価した結果、赤い染色液が「全体に付着」は、30人中15人→5人青い染色液が「全体に付着」は、30人中17人→1人に減少した。「全体に付着」1点、「一部に付着」2点、「ほぼ付着していない」3点と数値化して評価した結果、対象者全員の平均値が、赤1.6点、青1.4点から赤2.4点、青2.3点になった。
考察
実施後、歯垢の付着が改善している。特に古い歯垢(青)は、「全体に付着」が1名に減少している。方法を具体的に提示したマニュアルを使用することでスタッフ全員が同一方法で継続して口腔ケアを実施することができ、古い歯垢の除去につながったと考える。また実施者の技術による磨き方に差が少なくなったことが、同一方法を継続できた要因の一つであったと考える。開口困難や体動のある患者に対しては、「指サック型開口保持器使用」「介助者2名で実施」と方法を提示することで確実に実施することができ、歯垢除去につながったと考える。
結論
作成した口腔ケアマニュアルに沿ったケアは、歯垢の除去に効果がある。