抄録
成人重症心身障害児(者)(以下、重症児(者))の悪性腫瘍について大規模調査を実施した。最初にSMIDデータベースを用いて2000年~2004年の国立病院機構成人入所者を対象として罹患率を算出して日本成人と比較し、臓器別に罹患率・罹患年齢・生命予後を調査した。次に、13の重症児(者)施設で患者の有無とその症状・検査・治療についてアンケートを用いて調査した。罹患率は重症児(者)群2.5‰、対照群5.8‰で重症児(者)群が有意に低かった。臓器別罹患率では原発臓器不明が最も高かった。罹患年齢は30歳代から50歳代に分布し、1年生存率は57%であった。アンケートで抽出された悪性腫瘍患者7名中5名は症状が出てから診断され、5名は手術を受けていた。重症児(者)の悪性腫瘍は進行してから発見されることが多く、発症率の高い原発臓器が健常者と異なるので、早期発見のためには独自のスクリーニング法の策定と検証が必要と思われた。