抄録
本研究は、在宅重症心身障害児(者)の養育者の生活状況全般に注目し、WHOQOL26(身体的領域、心理的領域、社会的領域、環境領域の26項目)、SF-8(全体的健康感、身体機能、日常役割機能、身体の痛み、活力、社会生活機能、心の健康、日常役割機能の8項目)の調査紙、および「自身の生活について日頃感じていること」の自由記述を用いて調査を行った。養育者平均値と国民平均値を比較すると、養育者のQOLは、全体的に低値を示した。WHOQOL26の身体的領域では、「痛みや不快」(養育者平均値3.2±1.0:国民平均値4.1±1.0)、「睡眠と休養」(養育者平均値2.2±0.8:国民平均値3.1±1.0)の差が最も大きく、次いで「移動能力」(養育者平均値2.6±1.0:国民平均値3.3±1.1)であった。SF-8では、家族や友人との付き合いなどを表す「社会生活機能」(養育者平均値40.0±10.0、国民平均値50.1±6.9)が最も低かった。記述では、「自由時間がない」、「介護負担」、「体調が限界」、「睡眠不足」、「生き甲斐がもてない」、など生活の質を低下させている具体的内容が明らかになった。障害児(者)の養育者は、自身の生活を犠牲にすることを当然と考えることが多いが、「健康」で「自分らしく生きる」ことは人生の重要な課題であるために、養育者の生活の質を向上させる支援の必要性が示唆された。