日本重症心身障害学会誌
Online ISSN : 2433-7307
Print ISSN : 1343-1439
一般演題
O-19-01 当園成人部通所事業所の家族支援について
−家庭訪問から在宅の生活環境を知る−
田中 孝秀小野 栄子梅澤野 愛渡邉 真由美南雲 さと子八木 雅弘野澤 香菜子
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2019 年 44 巻 2 号 p. 391

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抄録
はじめに 重症心身障害児(者)は以前と比べ、地域で家族と共に生活したい、地域で暮らしていくためにどのような支援が必要か、選択できるようになった。 当園成人部通所事業(以下、通所部)を利用されている方やその保護者も在宅生活を長く願っている者も多い。だが、日常生活における介助負担、保護者が年齢を重ねると共に生じる健康の不調など、先の見えない将来の不安を耳にすることもあった。 今回、在宅介護に不安を感じている方の家庭訪問を行い、家庭での生活環境面を中心として現状と課題を知る。 方法 当園通所部を利用する7名に家族面談時に依頼し、後日家庭訪問を職員2名または3名で行った。 在宅介護の生活環境・介護方法の情報を得た中で、1.通所部から自宅・居室までの動線、2.介助方法、3.就寝環境、4.バリアフリー化されているかまたは今後考えているか、調査した。 結果 7名に実施。 6名が玄関・自宅内までバリアフリー化されていた。簡易的な段差解消や屋外リフト、リフォームで対応されていた。1名は縁側より直接居室に全介助で移動されていた。保護者の介助負担も大きく、危険も伴っていた。 室内用リフターを導入されている方が2名、5名が移動・移乗動作ともに全介助で対応していた。今後も導入予定は考えていなかった。 就寝環境は5名がベッド使用、2名が床に布団を使用されていた。ベッド、布団使用ともに保護者の負担が大きく感じられるケースもあった。 考察 保護者の身体的負担、本人の苦痛を生じるケースもあった。家庭訪問することで、実際に個々のニーズに合わせたサポートの必要性を感じた。 在宅介護を続けるために、相談支援員と長年の介護スタイルを検討し、通所として在宅生活での課題解決や制度・支援サービスの情報の提供が重要となる。 今後も在宅での生活支えるために、定期的に在宅訪問の実施を検討したい。 申告すべきCOIはない。
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© 2019 日本重症心身障害学会
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