日本重症心身障害学会誌
Online ISSN : 2433-7307
Print ISSN : 1343-1439
一般演題
O-18-05 在宅移行支援後の現状報告
近藤 正子船戸 正久
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2019 年 44 巻 2 号 p. 391

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抄録
はじめに NICUや小児病棟に入院している重症心身障害児(者)の在宅移行支援を開始し、これまでに45名が利用し37名が在宅移行している。在宅移行支援を実施した8年間の利用児を対象に在宅移行後の医療・福祉サービスの利用状況を調査した結果を報告する。 対象 2011年5月〜2018年3月に当センターで在宅移行支援を利用し、現在も在宅生活を送っている31名を対象とした。在宅移行した利用児は医療度も高く呼吸器13名、気管切開26名、酸素14名、吸引29名、経管栄養27名であった。 内容 訪問看護の利用については、全員に訪問看護を利用できるように調整したが1名は利用を中止していた。現在利用している全員が同時にリハビリも受けていた。2か所以上の訪問看護を利用している方は訪問看護間での連携もできている。家族との関係性は、「良好・頼りにしている」が大多数を占める一方、「可もなく不可もない、我慢している」と答える方もあった。しかし、ほとんどの方が訪問看護に困っていることや悩みを相談していた。訪問診療については、8割以上が利用しており、ほとんどが訪問看護との連携ができている。 在宅移行してからのカンファレンス実施については、行っていない家族の方が多く、カンファレンスの必要性の問いには、行っていない家族は、「なくてもいい、どちらでもよい」が多数を占め、反対に行っている家族は、「どちらでもいい、必要」と答えている。 結語 在宅移行後にも、「呼吸器を使用するようになった、気管切開を行った、胃瘻を造設した」と医療ケアがさらに追加になっている現状もある中で、カンファレンスの機会が少ないことや認識が低いことが課題である。全体の情報共有や生活全体をコーディネートする必要性を改めて感じる調査内容であった。現在、保育や教育についても調査中である。 申告すべきCOIはない。
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© 2019 日本重症心身障害学会
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