抄録
昨年、Candida albicans (16 Mb) と C. glabrata (13 Mb) の全ゲノムシークエンスが完全公開された。我々はこれらの情報を用いてカンジダの病原性解明と抗真菌薬開発をめざしている。異数体である C. albicans に比べ C. glabrata は一倍体であり遺伝子操作が簡便であるためゲノムワイドな機能解析において優れている。C. glabrata においては、in vitro ならびに in vivo での遺伝子解析が可能なテトラサイクリン応答型プロモーター (Tet-p) を用いたシステムが Nakayama et al. (1998) によって構築されている。我々はこのシステムを基本に Tet-p 導入のハイスループット化を実現させた独自のシステムを開発し、現在、5,300 全遺伝子に対し Tet-p 導入菌株を構築する計画 CGRP (Candida glabrata Genome Regulation Project) を推進中である。本計画ではまず、バイオインフォーマティックスにより抗真菌剤標的候補遺伝子を約 200 遺伝子抽出し、これら遺伝子に対して Tet-p を導入しているので、本総会において報告する。
会員外共同研究者: 笹本 要、伊藤桂子(千葉大)、青山俊弘 (鈴鹿高専)、釣谷克樹、中井謙太(東大)