日本医真菌学会総会プログラム・抄録集
Print ISSN : 0916-4804
第52回 日本医真菌学会総会・学術集会
セッションID: P-108
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病原性酵母Cryptococcus neoformansの薬剤耐性に関与する遺伝子の研究
*清水 誠清水 公徳李 皓曼大楠 美佐子川本 進
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抄録
C. neoformansは、AIDS発症者や免疫力の低下したガン患者だけでなく、健常者にもクリプトコックス症を引き起こす。クリプトコックス症治療は化学療法が一般的であるが、本菌の薬剤耐性獲得メカニズムはよく分かっていない。モデル生物Saccharomyces cerevisiaeでは、ABC輸送体、転写因子、熱ショックタンパク質(Hsp)、ホスファチジルイノシトール転移酵素(PITP)などをコードする遺伝子が多剤耐性(Pleiotropic Drug Resistant:PDR)に関与していることが明らかになっている。このうちPDR13遺伝子はHsp70をコードし、多剤耐性制御因子のPdr1pの機能を促進し、PDR16遺伝子はPITPをコードし、Pdr1pにより調節を受ける。これらのアミノ酸配列をもとに、C. neoformansのゲノムデータベースについてBlast検索したところ、Pdr13pに6個、Pdr16pに1個、それぞれホモログが見出された。 C. neoformansPDR13遺伝子ホモログのうち、CnPDR131CnPDR132CnPDR133、およびPDR16遺伝子ホモログCnPDR16について、遺伝子破壊による機能解析を試みた。得られた遺伝子破壊株について、薬剤感受性試験を行ったところ、CnPDR132遺伝子破壊株において、フロロピリミジン系抗真菌薬フルシトシンに対する感受性が高くなっていたが、アゾール系抗真菌薬や、ポリエン系抗真菌薬に対する感受性に顕著な差はなかった。また、増殖速度については、CnPDR133遺伝子破壊株において生育の遅延がみられた。
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© 2008 日本医真菌学会
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