2018 年 33 巻 4 号 p. 602-608
目的:壮・中年者におけるロコモティブシンドローム(ロコモ)の実態を明らかにし,その予防のための要因を明らかにすることを目的とした.
方法:壮・中年の勤労者のうち,当センターで健康診断を受診した93名(平均年齢50±9歳,男性31名,女性62名)を対象とした.健康診断受診時にロコモ度テストおよび握力測定を実施した.健康診断・問診結果,ロコモ度テスト結果について多変量解析を行い,壮・中年者においてロコモに影響を与える要因を検討した.
結果:ロコモ度テストの結果,27名がロコモと判定され,ロコモへの該当率は29.0%であった.ロコモ度1への該当者は19名(男性4名,女性15名)であり,ロコモ度2への該当者は8名(男性3名,女性5名)であった.ロコモ該当者27名のうち20名がロコモ25により判定された.ロコモ該当の有無を目的変数としたロジスティック回帰分析の結果,精神的健康度の指標であるWHO-5得点が独立した要因として採択された(オッズ比:0.866,オッズ比95%信頼区間: 0.767-0.979,p<0.05).またWHO-5を目的変数とした重回帰分析の結果,「睡眠で十分休養がとれているか」(偏回帰係数:0.504,t値:5.009,p<0.001),と「運動習慣があるか」(偏回帰係数:0.294,T値:2.985,p=0.004)がそれぞれWHO-5得点と関連していた(調整済みR2=0.313,p<0.001).
結論:本研究では壮・中年の勤労者においてロコモ該当者が約27.6%存在し,ロコモへの該当と精神的健康状態が関連することが明らかとなった.