2024 年 19 巻 p. 047-055
本研究目的は,ピークボーンマスに達する20歳代から更年期に差し掛かる50歳代の女性を対象に骨代謝評価を行い,骨代謝回転の傾向と年齢,体重,BMIやカルシウム,ビタミンD, ビタミンKの摂取栄養素,そして運動習慣との関連性について検討することである.分析の結果,象限III slow resorption群は,象限I fast formation群と比較して,年齢が高く,また体重と骨密度は低い傾向であった.このことから加齢により骨代謝が緩徐な骨吸収状態となり,骨代謝回転が低下していると考えられた.その要因として,加齢と低体重が考えられ,加齢によるエストロゲン分泌低下と体重によるメカニカルストレスの不足状態が推察された.ピークボーンマスから骨量が低下する年代において,加齢による骨代謝と骨密度の低下を予防するためには,運動によるメカニカルストレス負荷の重要性が示唆された.