日本運動器看護学会誌
Online ISSN : 2435-001X
Print ISSN : 2186-635X
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研究報告
  • 鳥居 千洋, 東野 督子
    2024 年 19 巻 p. 037-046
    発行日: 2024/02/29
    公開日: 2024/03/07
    ジャーナル フリー

    【目的】人工膝関節全置換術(Total Knee Arthroplasty: TKA)を受けた高齢者が他人と関わる活動である社会参加に影響する因子を明らかにする.【方法】TKA後に自宅で生活する高齢者99名(男性15名,女性84名:平均年齢75.9歳(標準偏差±5.4))を対象とした.調査内容は,現在と手術前の『社会参加の状況』として「地域への寄与」「自己の啓発」,『個人因子』として「手術前の社会参加への関心の有無」「身体状況」,『環境因子』として「安心生活環境」「相互交流環境」「家族環境」を尋ねた.「地域への寄与」活動と「自己の啓発」の活動の得点を従属変数としてロジスティック回帰分析を行った.【結果】手術後に社会参加を行っていたのは88名(88.9%)であり,「地域への寄与」活動に影響する要因は「手術後の経過期間」「疼痛が強い」「術前から地域への寄与活動に関心がある」であった.「自己の啓発」活動は『環境因子』の「安心生活環境」「相互交流環境」が影響していた.【考察】社会参加の支援を行う際には,痛みの出現状況を確認したうえで行うことが望ましい.また,TKA後の社会参加には環境因子も影響することが示唆された.

  • 長谷川 秀隆, 長谷川 結香, 松木 秀明
    2024 年 19 巻 p. 047-055
    発行日: 2024/02/29
    公開日: 2024/03/07
    ジャーナル フリー

    本研究目的は,ピークボーンマスに達する20歳代から更年期に差し掛かる50歳代の女性を対象に骨代謝評価を行い,骨代謝回転の傾向と年齢,体重,BMIやカルシウム,ビタミンD, ビタミンKの摂取栄養素,そして運動習慣との関連性について検討することである.分析の結果,象限III slow resorption群は,象限I fast formation群と比較して,年齢が高く,また体重と骨密度は低い傾向であった.このことから加齢により骨代謝が緩徐な骨吸収状態となり,骨代謝回転が低下していると考えられた.その要因として,加齢と低体重が考えられ,加齢によるエストロゲン分泌低下と体重によるメカニカルストレスの不足状態が推察された.ピークボーンマスから骨量が低下する年代において,加齢による骨代謝と骨密度の低下を予防するためには,運動によるメカニカルストレス負荷の重要性が示唆された.

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