抄録
時間の流れに沿って変化し,情報を伝える音の時々刻々の印象をとらえ,全体の印象との関係,物理量との対応などを検討することにより,われわれが知覚している音の世界のさまざまな現象や法則性を知ることができる。ここでは,難波,桑野らが開発した一次元の音の印象を時々刻々判断する“カテゴリー連続判断法”,および“線分長による連続判断法”,さらに多次元の印象を時々刻々判断する“連続記述選択法”について,その方法を概説した。さらにこれらの方法を用いて,著者らが今までに行ってきた研究例に基づいて,連続判断法の特徴についても紹介した。