2012 年 11 巻 2 号 p. 12-17
本研究は,実践の機会が少ない現状において,基礎看護技術を身につけさせる意義を確認するため,看護系大学女子学生2年生,4年生各5名計10名を対象に,「浣腸」と「導尿」の技術練習前後の動作分析を行い,その変化を明らかにすることを目的とした.結果,技術練習前は2年生,4年生とも動作の連続性には欠けたが,カテーテル挿入の長さや薬液注入の速度は,記憶され実施できていた.技術練習後では,2年生,4年生とも動作の連続性が増し,利き手動線は集約し,かつ4年生よりも2年生の動線範囲のほうがより集約していた.
以上より,学習後,見学や体験の機会が少なく時間が経過した場合でも,基礎看護技術を1人でできるまでに習得していれば,同じ条件下では容易に想起し実施できることが推察された.