日本看護技術学会誌
Online ISSN : 2423-8511
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研究報告
「モーニングケア」の概念分析
大橋 久美子
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2012 年 11 巻 2 号 p. 18-27

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抄録
 近年,簡略化される「モーニングケア」の概念の特徴を明らかにし,看護におけるモーニングケアの意義を検討する.概念分析の方法としてRodgersのアプローチ方法を用いた.計73文献を対象に属性,先行要件,帰結,代替用語 ・ 関連概念を抽出して分析した.「モーニングケア」の属性として【早朝に日常的に行われる基本的な援助】【一日の活動開始準備のための援助】【朝の生活行動援助】【組織化された複合的援助】【個別的な援助】の5カテゴリー,先行要件として【夜から朝への環境変化】【早朝の活動開始阻害要素】【患者要素】【看護師要素】【患者―看護師関係】【ケアの背景】の6カテゴリー,【快適感】【今日への活力】【活動性の向上】【生活と健康の改善】【不適切なケア内容による快適感の阻害】の5カテゴリーが抽出された.本概念の特徴を踏まえ,モーニングケアとは「一日の活動開始準備のために早朝に行われる基本的な看護援助であり,患者の個別性に応じて複数の生活行動を組織化して提供していく日常生活行動援助」と定義し,健康の回復にかかわる看護上の意義が示唆された.
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© 2012 日本看護技術学会
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