日本看護技術学会誌
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研究報告
便器を挿入し上半身挙上角度を変化させたときの自覚的な腹圧のかけやすさと腹圧のかかり方
青木 紀子
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2014 年 12 巻 3 号 p. 50-57

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抄録
 ベッド上で便器や尿器を用いたときの排泄時の姿勢は,腹圧がかけやすくなるなどの理由から上半身を挙上するとされている.適切な挙上角度は身体的な安楽なども考慮され60°くらいとされている.しかし,看護技術書にはさまざまな挙上角度の記載があり,明確にはされていない.そこで,ベッド上で便器を挿入し上半身の挙上角度を変化させたときの腹圧のかかり方について,自覚的な腹圧のかけやすさと腹部表面筋電図から検討していくことを目的とした.18~22歳の健康な若年成人女性14名 (平均BMI,21±3.08) を対象に,ベッドの上半身の角度を0°,15°,30°,45°,60°,75°に変化させたときの安静呼吸時と最大腹圧を3秒かけたときの腹部表面筋電図を連続的に測定した.その結果,腹部表面筋電図は自覚的に腹圧がかけやすい拳上角度の順位別でも挙上角度別でも有意差はみられなかった.つまり,自覚的な腹圧のかけやすさと腹部表面筋電図との関連はみられず,腹圧のかかりやすい挙上角度は特定されず個別的である可能性が示された.
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© 2014 日本看護技術学会
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