日本看護技術学会誌
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研究報告
石鹸清拭と熱布清拭による気分とストレスの変化
―日本語版POMS短縮版と唾液αアミラーゼ活性を用いて―
小池 祥太郎
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2014 年 13 巻 2 号 p. 126-131

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抄録
 本研究の目的は,熱布清拭と石鹸清拭が気分とストレスに与える影響を明らかにすることである.研究方法は対象者10名に対して熱布清拭と石鹸清拭を行い,日本語版POMS短縮版と唾液アミラーゼ活性にどのような変化があるかを比較した.また,熱布清拭と石鹸清拭の影響を比較するために,両清拭における日本語版POMS短縮版のT得点の変化量を比較した.その結果,熱布清拭前後における日本語版POMS短縮版のT得点はすべての項目において有意な差は認められなかった.一方で,石鹸清拭前後における日本語版POMS短縮版のT得点は「抑うつ-落込み」「混乱」で有意な減少,「活気」で有意な上昇が認められた.熱布清拭と石鹸清拭の日本語版POMS短縮版T得点の変化量の比較は,石鹸清拭が熱布清拭と比較し「活気」に及ぼす影響が有意に高い結果となった.なお,唾液アミラーゼ活性は両清拭とも有意な変化は認められなかった.この結果から,石鹸清拭は熱布清拭と比較し精神的効果が高い援助方法であることが示唆された.
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© 2014 日本看護技術学会
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