日本看護技術学会誌
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研究報告
擬似病室における患者のパーソナルスペースを考慮した看護師の立ち位置
二見 朝子工藤 有紀埜本 竜哉下田 智子良村 貞子
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2014 年 13 巻 3 号 p. 211-218

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抄録
 【目的】他患がいる病室において,患者が話しやすいと思う看護者の立ち位置を明らかにする.【方法】擬似病室で,模擬患者に話しやすいと思う位置の回答を求める準実験研究を行った.パーソナルスペース (以下PS) は被験者の頭頂から半径120cm以内とした.【結果】話しやすい距離の平均は134.7±26.9cmであった.また,PSの120cm以内が話しやすいと答えたのは30.4%であり,120~130cmと答えたのは26.1%であった.さらに,看護師役の立ち位置を被験者の頭頂から45°±10°の範囲と答えた被験者は65.2%であった.【結論】1.話しやすい立ち位置は,被験者の頭から120~130cm程度離れたベッドに近い足元側が目安である.2.話しやすい立ち位置は,45°±10°の範囲内に約7割が集中した.3.会話を重ねると,話しやすい位置は近くなる可能性がある.4.看護師側が考える話しやすい距離と患者側が考える話しやすい距離は異なる可能性がある.
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© 2014 日本看護技術学会
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