日本看護技術学会誌
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研究報告
60℃の背部温罨法による上半身皮膚温,指尖皮膚血流の変化
塚越 みどり船越 健悟菱沼 典子
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2014 年 13 巻 3 号 p. 219-229

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抄録

 19~24歳の健康な成人期女性21名に,蒸しタオルによる60℃10分間の背部温罨法を仰臥位で行った.同一対象者へ実験群 (罨法あり),コントロール群 (罨法なし) を実施し,上半身8部位の皮膚表面温,皮膚血流量を測定し,実施前と比較した.適用部位以外で最も速やかに,高く上昇した部位は,第3指皮膚温であり,罨法10分は1.2℃,罨法後30分は1.7℃上昇し,同部位の皮膚血流量は,罨法中に1.5倍,罨法後30分は1.3倍となった.罨法中,罨法後の背部,後頸部,前胸部,手掌,手背,右第3指の皮膚表面温は,実験群がコントロール群より高く,有意差があった.上腕,前腕の皮膚表面温は,群間の有意差がなかった.仰臥位における60℃10分間の背部温罨法は,末梢の皮膚表面温がすみやかに上昇し,罨法後30分でも1℃以上の皮膚温の上昇が持続することをふまえて適応,実施時期を判断する必要がある.

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© 2014 日本看護技術学会
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