日本看護技術学会誌
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研究報告
電子レンジ加熱による清拭タオルの有用性に関する検討
―温湯清拭タオルとの経時的温度比較―
小林 甫山田 美季池田 雪花ガンゾリグ オチゲレル渡辺 玲奈矢野 理香
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2014 年 13 巻 3 号 p. 200-210

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抄録

 本研究の目的は,電子レンジによる清拭タオルの加熱方法を加熱効率とタオル温の持続性から検証し,温湯清拭タオルとの経時的温度変化を比較することである.清拭タオル8枚の形状と配置を組み合わせ,7つのパターンを考案した.調査方法は,各パターンを電子レンジで3分間加熱し,加熱直後のタオル中心部温度,表面最高温度,表面平均温度を測定した.つぎに,7パターンのうち最も加熱効率がよく,タオル温の持続性が高いパターンを選出し,50℃の温湯で準備をしたタオルとの経時的温度を比較した.その結果,温湯清拭タオル温以上を最も長く持続していた電子レンジ加熱によるタオルは,たたみ1列8段密着パターンであった.このパターンでは,表面最高温度は12分まで温湯清拭タオル温を上回った.しかし,中心部温度と表面平均温度は10分以降で温湯清拭のタオル温を下回ったことから,使用時間,用途や状況に合わせて温湯清拭と使い分けることが必要であると考えられた.

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© 2014 日本看護技術学会
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