抄録
看護師の共感性と慢性疼痛に対する看護介入の実際との関連を調査 ・ 検討することを目的に質問紙調査を行った.対象は病床数300床以上の病院の内科,整形外科に勤務している看護師とし,調査内容は属性と共感性そして慢性疼痛への看護介入についてとした.共感性の評価には角田 (1994) の共感経験尺度改訂版 (EESR) を用いた.EESRは共有体験ならびに共有不全体験の有無から人の共感性を 「共有型」 「両向型」 「不全型」 「両貧型」 の4型に分類する方法である.看護介入については 「痛みのアセスメントの視点」 19項目, 「痛みについての看護診断」,「慢性疼痛に対し実践している看護介入方法」 14項目についてとし,「痛みのアセスメントの視点」 の19項目のうち回答のあった項目の数を情報収集数とした.χ2 検定を用いて分析した結果,共感性類型と看護介入に関する質問項目との間に有意差を認めた.看護師の共感性と慢性疼痛に対する看護介入には関連があり,看護介入の質が変わることが示唆された.