日本看護技術学会誌
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14 巻 , 1 号
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研究報告
  • ―身体を介した相互作用に焦点を当てて―
    河合 桃代
    2015 年 14 巻 1 号 p. 63-72
    発行日: 2015/04/20
    公開日: 2016/04/26
    ジャーナル フリー
     本研究の目的は,看護師と嚥下障害者の身体を介した相互作用に焦点を当てて,食事介助のわざを明らかにすることである.研究方法は質的研究方法で,参与観察法と看護師による嚥下障害者への食事介助場面のビデオ視聴をもとにした対話を用い,質的帰納的に分析した.研究参加者は,経験年数が7年と30年以上の看護師2名と,脳血管疾患の後遺症で嚥下障害を伴う高齢者3名であった.嚥下障害者への食事介助における看護師のわざとして5つのカテゴリー 【食べる構えをつくる】 【舌との触れ合いを待つ】 【舌の動きを補う】 【噛む動きをつくる】 【飲み込みを助ける】 が見い出された.看護師は身体に触れ,客観的には見えない口の中などを視覚的イメージにより理解していた.嚥下障害者の身体の動きを声として受け止め,自身の身体の動きを変えて同調した.さらに,嚥下障害者が自ら身体を動かす機会をつくって食べる意欲を引き出しつつ,身体の動きを補完して支援した.
  • 森田 聖子, 中道 淳子, 小林 宏光
    2015 年 14 巻 1 号 p. 73-77
    発行日: 2015/04/20
    公開日: 2016/04/26
    ジャーナル フリー
     唾液中のαアミラーゼ活性値 (sAA) 測定の個人内再現性を検討するため,認知症高齢者を含む69名の対象者に研究を行った.対象者は,認知症がある高齢女性15名 (平均年齢86.7±4.8歳),認知症のない高齢女性23名 (平均年齢79.7±5.0歳),および健康な成人女性31名 (平均年齢23.1±4.5歳)であった.認知機能の評価は改訂版長谷川式簡易知能評価スケール (HDS-R) を用い行った.認知症高齢者および認知症のない高齢者のHDS-Rの平均はそれぞれ11.1と27.4であった.sAA測定には携帯型唾液アミラーゼモニター (ニプロ社製CM-2.1) を用いた.sAA測定は同日15時に2回繰り返して行った.測定の前に,対象者は水で含嗽し10分間の安静をとった.sAAの値は統計的検討のため常用対数に変換された.2回の測定値間の再現性を,級内相関係数 (intra-class correlation coefficient ; ICC) で検討した.認知症高齢者および認知症のない高齢者,成人それぞれの対数変換後のsAA値の平均は,1.64,1.46,1.61であった.3群間でsAAの値に有意な差はなかった.ICCは,認知症高齢者および認知症のない高齢者,成人それぞれ0.83,0.61,0.80であった.これらの結果より,認知症高齢者を対象に携帯型測定器を用いたsAA測定が十分に信頼できることが示唆された.
  • 中島 真由美, 西田 直子
    2015 年 14 巻 1 号 p. 78-85
    発行日: 2015/04/20
    公開日: 2016/04/26
    ジャーナル フリー
     看護師の共感性と慢性疼痛に対する看護介入の実際との関連を調査 ・ 検討することを目的に質問紙調査を行った.対象は病床数300床以上の病院の内科,整形外科に勤務している看護師とし,調査内容は属性と共感性そして慢性疼痛への看護介入についてとした.共感性の評価には角田 (1994) の共感経験尺度改訂版 (EESR) を用いた.EESRは共有体験ならびに共有不全体験の有無から人の共感性を 「共有型」 「両向型」 「不全型」 「両貧型」 の4型に分類する方法である.看護介入については 「痛みのアセスメントの視点」 19項目, 「痛みについての看護診断」,「慢性疼痛に対し実践している看護介入方法」 14項目についてとし,「痛みのアセスメントの視点」 の19項目のうち回答のあった項目の数を情報収集数とした.χ2 検定を用いて分析した結果,共感性類型と看護介入に関する質問項目との間に有意差を認めた.看護師の共感性と慢性疼痛に対する看護介入には関連があり,看護介入の質が変わることが示唆された.
  • 蜂ヶ崎 令子
    2015 年 14 巻 1 号 p. 86-95
    発行日: 2015/04/20
    公開日: 2016/04/26
    ジャーナル フリー
     一般病棟における点滴スタンドの使用に関する実態調査から,点滴スタンド使用時の危険状況を明らかにし,より安全な点滴スタンド使用への示唆を得る.
     全国で300床以上を有する一般病院37施設からの協力を得た.経験年数3年以上の看護師を対象に郵送法による質問紙調査を実施し,点滴スタンド使用中の危険状況や患者の転倒経験についてたずねた.1,110名に調査用紙を配布し,回収数660部 (59.5%),有効回答数629部 (95.3%) であった.352人 (56.0%) の看護師が点滴スタンドを他の用途で使用し,点滴スタンド使用中の患者の転倒を経験していたのは117人 (18.6%),転倒未遂を経験していたのは245人 (39.0%) であり,486人 (85.7%) が危険を感じることがあった.271人 (43.1%) が点滴スタンドに関する教育を受けておらず,88人 (14.0%) が使い方をよく知らないと答えた.以上の結果から,点滴スタンド使用時には,患者や環境が絡む多数の危険状況が存在しており,看護師への教育が必要であることが示唆された.
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