日本看護技術学会誌
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研究報告
背面開放座位ケアプログラムの事例分析から考察する根拠あるイノベーティブ看護技術の普及過程
佐々木 杏子大久保 暢子鈴木 和代
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2017 年 15 巻 3 号 p. 265-275

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抄録

 本研究の目的は, 急性期脳血管疾患患者の早期離床を支援する「背面開放座位ケアプログラム」を導入した2病院に対して, プログラムの導入過程を調査し, 明らかになった普及の促進 ・ 阻害要因から, プログラム普及に向けた対策を検討することである. 促進要因としては, 「背面開放座位ケアプログラムの導入を指導した開発者がチェンジ ・ エージェントとして効果的に機能したこと」, 「中心となって実践したチェンジ ・ チャンピオンの活動」, 「看護管理者, 医師をはじめとする多職種 ・ 家族の協力」, 「病棟の文化」, 「高い相対的優位性」であった. 阻害要因としては, 「看護師の異動や退職」, 「採用拒否者の存在」, 「教材の不足」, 「複雑性の高さ」, 「観察可能性の低さ」であった. オピニオンリーダー育成に向けた教育プログラム作成の必要性や, 異動に左右されず縦断的に活動できる看護師を活用することの必要性が示唆された.

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© 2017 日本看護技術学会
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