2020 年 19 巻 p. 1-13
本研究の目的は, 筆者らが作成した排便に関する看護援助の必要性をアセスメントするフローチャートVer. 2 (吉良ら 2016) を用いた排便パターンの分類結果をもとに, より活用しやすい排便記録と, 分類精度の高いフローチャートに改訂することであった.
2週間の排便記録用紙に排便日数, 便の硬さの情報が記載された6種類の模擬排便記録を作成し, 看護職者・看護学生らにフローチャートを使用した排便パターンの分類を依頼した. 分類を誤った要因の分析から, 排便記録用紙とフローチャートを改訂した結果, 模擬排便記録の分類の合計正解数は有意に上昇し, 各排便パターンの正解率も有意に上昇した. しかし, 正解率が80%以下の排便パターンも残った. 以上より, 排便記録用紙, フローチャートにおける課題を検討し, 新たな排便記録用紙とフローチャートVer. 4を提案した.