抄録
本研究は, 硝子体手術後のうつむき姿勢を想定した体位の保持に伴う苦痛に対して, 頸部, 肩部のストレッチを中心とした自動運動の効果を心理的および生理的指標を用いて検証することを目的とした.
被験者は若年健常成人23名 (22.6±2.8歳) とし, うつむき姿勢保持のみの条件および, うつむき姿勢保持に加え自動運動を実施する2条件を実施し比較検討した. うつむき姿勢保持は90分間とし, 自動運動は姿勢保持開始45分後から5分間実施した. 測定項目は気分評価, 主観的疼痛, 心拍数, 心拍変動, 血圧, 皮膚温, 皮膚血流量等とした.
うつむき姿勢保持条件に対し, 自動運動条件では, 疲労得点が低く (P=0.039), 肩部の主観的疼痛が低値で経過し (P=0.049), 拡張期血圧が低下しなかった (P=0.040). したがって, 硝子体手術後のうつむき姿勢保持時における自動運動の実施は, 肩部の疼痛緩和を中心とした苦痛への援助として期待できることが示された.