日本看護技術学会誌
Online ISSN : 2423-8511
Print ISSN : 1349-5429
ISSN-L : 1349-5429
その他
手浴による自律神経系の調節的効果の可能性
中野 元堀 悦郎
著者情報
ジャーナル フリー

2021 年 20 巻 p. 11-19

詳細
抄録
 手浴による自律神経活動のバランス調節効果を検証するために, 実験的に交感神経活動が亢進している状態および副交感神経活動が亢進している状態を誘発し, それぞれの状態に対する手浴の効果を検討した. 健康ボランティア23名を対象にした試験では, 暗算負荷による交感神経賦活状態において, 手浴では対照にくらべて交感神経の賦活を有意に抑制していた. 一方, 安静閉眼による副交感神経賦活状態においては, 対照にくらべて手浴では交感神経活動の有意な上昇を認めた. 以上から, 手浴は交感神経優位な状態では交感神経活動の上昇を抑制し, 副交感神経優位な状態では交感神経活動を亢進させ, 自律神経のバランスを調節する効果を有することが示された.
著者関連情報
© 2021 日本看護技術学会
前の記事 次の記事
feedback
Top