本研究の目的は, 清拭タオルの面替え操作の有無における汚れの除去率, 皮膚温および主観的評価を比較することである. 対象はA大学の20歳代の健康な男女17名とした. すべての対象者に面替え操作あり清拭および面替え操作なし清拭を実施し, 前腕屈側部における汚れの除去率 (実験Ⅰ), 背部の皮膚温および主観的評価 (実験Ⅱ) を比較した. 結果, 汚れの除去率は面替えあり群が, なし群よりも有意に高値を示した (P=.002). 皮膚温には清拭直前~15分後において群間差はなかった. また, 主観的評価「温かさ」, 「心地良さ」においても2群間に有意な差はみられなかった. 以上より, 清拭におけるタオルの面替え操作は, 汚れの除去率を高めることが示唆された.