日本看護技術学会誌
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原著
ディスポーザブルタオルを用いた背部清拭に10秒の貼用時間および気化熱を抑えるタオルの広げ方と当て方の工夫を加える効果
小平 智尋落合 有咲佐藤 愛佐橋 芽依宮川 日和村松 若奈山井 穂乃華吉田 麗ハーネド 明香髙橋 智子松山 友子
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2023 年 22 巻 p. 28-37

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抄録

 ディスポーザブルタオル (以下, ディスポタオル) を用いた背部清拭に10秒の貼用時間および気化熱を抑えるタオルの広げ方と当て方の工夫を加える効果を皮膚温および主観的評価から明らかにした. 健康成人33名を対象に①貼用なし清拭, ②10秒の貼用時間を加えた清拭, ③10秒の貼用時間および気化熱を抑えるためタオルの広げ方と当て方の工夫を加えたオリジナル清拭の3つの背部清拭を実施し, 皮膚温・主観的評価を測定した. 反復測定二元配置分散分析・Friedman検定により分析した. 結果は, 10秒の貼用時間を加えた清拭およびオリジナル清拭の乾拭直後の皮膚温は安静後より上昇し, 貼用なし清拭よりも有意に高かった (P<.001). 主観的評価では, オリジナル清拭のあたたかさの得点が有意に高かった (P<.001) が, 気持ちよさは有意差がなかった. 結果より, ディスポタオル清拭において, 貼用時間を加えることは乾拭直後の皮膚温を上昇させ, 気化熱を抑えるタオルの広げ方や当て方を工夫することは主観的なあたたかさを感じられる効果が期待できることが示唆された.

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