2025 年 24 巻 p. 89-97
目的:指先を意識した視覚・聴覚情報提供が擦式手指消毒薬の塗布範囲へ及ぼす影響を明らかにする.
方法:非医療系・非飲食系の企業労働者318名を対象に擦式手指消毒を普段通りに行うコントロール群 (以下, 通常群)・指先の細菌付着のイラストと消毒部位を示す短文を示した視覚情報群 (以下, 視覚群)・指先の消毒を意識する声かけを行う聴覚情報群 (以下, 聴覚群) に分け, 擦式手指消毒剤に見立てたチェック用ローションの塗布範囲を点数化し比較した. 分析は, 記述統計量を算出し, Kruskal-Wallis検定・Steel-Dwass検定を行った.
結果:指先・手指・拇指はすべての群に有意差 (p<.01) があり, 聴覚群・視覚群・通常群の順に点数が高かった. 手背・手掌についても, 視覚群・聴覚群は通常群よりも有意に高かった (p<.01).
考察:指先を意識させる視覚および聴覚情報の提供は, 指先への塗布範囲を拡大させる効果があることが示された. また, 他の部位の塗布範囲も拡大していたことから, 手全体の擦式手指消毒の塗布範囲を広げる可能性が示唆された.
指先を意識した視覚および聴覚情報の提供が指先の塗布範囲を拡大させることが示された. また, 他の部位の塗布範囲も拡大していたことから, 手全体の擦式手指消毒範囲も拡大させる可能性が示唆される.