日本看護技術学会誌
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研究報告
殿部筋肉内注射部位における中殿筋表層血管および神経損傷の危険性の検討
佐藤 好恵藤井 徹也佐伯 香織新實 夕香理篠田 貢一小澤 由紀中野 隆
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2009 年 8 巻 2 号 p. 91-96

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抄録

 殿部筋肉内注射部位である 「四分三分法の点」 および 「クラークの点」 における上殿動脈 ・ 静脈, 上殿神経損傷の危険性について, 実習用遺体 29 体 53 側を対象に形態学的検討を行った. 「四分三分法の点」 は, 皮下組織の直下に大殿筋が分布していた例, および大殿筋の上外側縁部に近接していた例が 24 側 (45. 3%) で認められた. また, この 24 側のうち, 注射針を中殿筋表層まで刺入した場合, 中殿筋表層を走行する上殿動脈 ・ 静脈に近接する例が 10 側 (41. 7%) でみられた. さらに, 「四分三分法の点」 では中殿筋深層まで注射針を刺入した場合, 中殿筋深層を走行する上殿動脈 ・ 静脈, 上殿神経への近接例が 40 側 (76. 9%) でみられ, 「クラークの点」 に比べて 1. 7 倍多かったことから, 神経 ・ 血管損傷の危険性が二重に高いことが示唆された. よって, 大殿筋を貫通する頻度の少ない 「クラークの点」 が, より神経 ・ 血管への注射針刺入の危険性が低い安全な注射部位であることが考えられた.

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© 2009 日本看護技術学会
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