NEUROINFECTION
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Print ISSN : 1348-2718
学会賞
HTLV-1 関連脊髄症における疾患進行の予測因子
古園 麻衣松元 陸眞弓 芳子田代 雄一荒田 仁山野 嘉久田中 正和久保田 龍二松浦 英治髙嶋 博
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2020 年 25 巻 1 号 p. 146-

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抄録

【要旨】HAM 患者データベース『HAM ねっと』に登録されている 527 例において、疾患進行速度の予測因子としての初発症状の意義を検討した。初発症状は歩行障害、下肢感覚障害、排尿障害の三分類とした。初発症状の出現から車椅子使用レベルである納の運動障害重症度分類(OMDS)で Grade 6 にいたるまでの期間を疾患進行速度の指標とした。検討の結果、初発症状が下肢感覚障害であれば有意に急速で、排尿障害であれば有意に緩徐であった。初発症状は疾患進行の予測因子であることを確認した。また、初発症状が排尿障害である例は男女ともに若年発症の傾向があった。若年で排尿障害を呈する患者には HTLV-1(Human T-lymphotropic virus type 1)感染を積極的に疑い、抗炎症治療の対象となるか検討することが求められる。

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© 2020 日本神経感染症学会
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