2022 年 27 巻 1 号 p. 138-
【要旨】2013 年1 月〜2020 年 12 月の7 年間に当院に入院したレジオネラ肺炎の 19 例を対象とし、レジオネラ肺炎に合併する神経症状と臨床的特徴、またそれらに対してどのような精査が行われたのかを後方視的に検討した。検討の結果、レジオネラ肺炎における神経症状および異常な画像所見は可逆的である場合が多く、脳神経専門医による神経症状の精査が行われなかった症例も少なからず存在した。そのような症例のなかには、異常な画像所見を呈する時期があったにもかかわらず看過されてきたケースが一定数あると推測され、積極的な頭部 MRI の撮像や呼吸器内科をはじめとする他科との連携は、レジオネラ肺炎における多彩な神経症状の病態解明へとつながる可能性がある。