2022 年 27 巻 1 号 p. 143-
【要旨】2014 年4 月〜2019 年3 月に当院に入院したけいれん重積型二相性脳症患者5例の臨床経過を後方視的に検討し、罹患後に発達指数が低下した2 例と低下しなかった3 例を比較した。発達指数が低下した2 例では、初回のけいれん発作の持続時間が 60 分以上であり、その初期治療で追加の薬剤投与を必要とした。初回けいれん発作後の治療、初回けいれんから第2 相までの間隔、およびその後の治療の間に両者間で差はなかった。初回けいれんが 60 分以上持続する、もしくは初回の抗けいれん薬に抵抗性を示す場合は、後遺症が出現する可能性を念頭に置き早期に集学的治療を開始したうえで注意深く経過を観察すべきであると考えられる。