NEUROINFECTION
Online ISSN : 2435-2225
Print ISSN : 1348-2718
第27回日本神経感染症学会に寄せて
次世代につなぐ、日本神経感染症学会の歴史
庄司 紘史
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2024 年 29 巻 1 号 p. 2-7

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抄録

1996 年日本神経感染症研究会として発足、2004 年学会へ移行し、各種脳炎・脳症、脊髄炎、髄膜炎を中心に取り上げ、学術発表、交流の場を提供し、2023 年第27 回本学会を盛会理に終了した。学会員94 →現在541 名、参加者160 → 393 名、一般演題数34 → 48 題に推移していた。第27 回までの会長講演・特別講演の演題名を分類したところ、プリオン病10 演題、ウイルス性脳炎5、インフルエンザ脳症3、HTLV-1 脊髄症(HAM)3、エイズ脳症3、ヒトヘルペスウイルス-6(HHV-6)1、亜急性硬化性全脳炎(SSPE)1、多巣性白質脳症(PML)1、ワクチン1、野兎病などの希少疾患含むその他であった。それぞれの時代の社会的要請に対応し、広く一般医にも役立つ主要神経感染症疾患の診療ガイドラインを発行;細菌性髄膜炎、単純ヘルペス脳炎、HAM の診療ガイドラインの書籍発行、プリオン病、インフルエンザ脳症などのPDF を公開した。2019 年末から2020 年にかけてウイルス変異によるCOVID-19 感染の世界的な流行が発生したが、現在、なおあらたな変異の脅威は持続しており、異常気象や高齢化の宿主免疫能の低下による各種神経感染症の変貌、リスクの増加が予想される。

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© 2024 日本神経感染症学会
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