当医療圏域における急性脳動脈閉塞症に対する経皮的脳血栓回収術の治療成績
キーワード:
mechanical thrombectomy,
acute ischemic stroke,
tertiary medical center,
medical administration area,
treatment results
2018 年 23 巻 2 号 p. 101-106
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2018 年 23 巻 2 号 p. 101-106
当医療圏域における唯一の経皮的脳血栓回収術施行施設である当院の治療成績・課題について検討した．2015年１月から2017年５月の間に，急性脳動脈閉塞症に対する経皮的脳血栓回収術を当院で施行した症例について，患者背景・治療対象血管・治療成績を後ろ向きに検討した．対象期間中に当院で経皮的脳血栓回収術を施行したのは56例．平均年齢69.0±14.0歳．女性：男性＝20：36．他院からの転送が27例，直接搬送が29例．NIHSS中央値（四分位数）15.5（11‒19.25）．発症から再開通時間は263分．Thrombolysis in cerebral infarction（TICI）2b以上の有効再開通が得られたのは44件（78.6％）．症候性頭蓋内出血は３件（5.4％）．90日目転帰良好（modified Rankin Scale: mRS≦2）は28件（50.0％）．転帰良好に関連した因子は，単変量解析で年齢・National Institutes of Health Stroke Scale（NIHSS），発症から再開通時間，有効再開通だった．当圏域においては，転送元から当院への搬送を迅速にすることと，動脈穿刺から再開通までの時間を短縮し有効再開通を増やすことが課題であった．
