2018 年 23 巻 2 号 p. 94-100
2016年11月から2017年10月にTrevo® XP 3 mmを使用した急性期血栓回収療法を施行した連続11例を対象とした.これらの症例のmRS,来院時のNIHSS,再開通時のTICI grade,30日後のmRSについて検討した.平均年齢76.6歳(33‒86歳),男性7例,女性4例.病変の詳細はM2単独閉塞が4例,M1閉塞で手技に伴う血栓のdistal migrationによるM2閉塞が1例,IC閉塞でのdistal migrationによるM2閉塞が5例,Basilar artery(BA)閉塞での血栓のdistal migrationによるP2閉塞を1例に認めた.発症時の平均NIHSSは19.3(7‒30)で,再開通時のTICI 3は4例(36%),2bは5例(45%),2aは2例(18%).30日後の平均mRSは3.0(1‒6)でmRS 2以上(0‒2)の転帰良好群は5例(45%)で,手技に関して1例で少量のSAHを認めるも無症候であった.術直後のTICI gradeは2b/3は82%でTICI 3が36%と比較的良好な再開通がえられた.30日後のmRS(0‒2)は45%でM2,P2閉塞に対しては操作性,誘導性の優れた3 mmのデバイスを使用し安全で有効な血栓回収を施行できた.